子どもが発熱すると、
「40℃もあるけど大丈夫?」
「解熱剤を使った方がいい?」
「熱が下がらなかったら危ない?」
「熱性けいれんが起きやすくならない?」
と不安になりますよね。
結論から言うと、熱が高いだけで解熱剤を使う必要はありません。
解熱剤は、熱を無理やり下げるための薬ではなく、熱によるしんどさを一時的にやわらげるための薬です。
そもそも熱は悪いもの?
発熱は、体に入ってきたウイルスや細菌などに対して、体が戦っている時に起こる自然な反応です。
39℃、40℃の熱が出ると心配になりますが、通常の感染症による発熱で、熱そのものが脳に直接ダメージを与えることは基本的にありません。
そのため、熱が高いからといって、必ず解熱剤で下げなければいけないわけではありません。
解熱剤を使わなくてもいいケース
熱が高くても、次のような状態なら、無理に解熱剤を使わなくても大丈夫です。
- 食事や水分がとれている
- 眠れている
- 多少しんどそうでも、ぐったりはしていない
- 機嫌が極端に悪くない
- おもちゃで少し遊べる
つまり、体温の数字だけで判断しないことが大切です。
たとえば、40℃あっても食事や水分がとれて眠れているなら、解熱剤は必須ではありません。
解熱剤を使った方がいいタイミング
一方で、熱が高いことで明らかにしんどそうな時は、解熱剤を使う価値があります。
具体的には、
- 熱が高くて食事や水分がとれない
- ぐっすり眠れない
- しんどくてずっと泣いている
- 機嫌がかなり悪い
こういう時です。
解熱剤で少しでも楽になって、
食事や水分が少しでもとれる、眠れる、機嫌が少し改善する
のであれば、それだけで十分に意味があります。
解熱剤を使っても熱が下がらないことはあります
「解熱剤を使ったのに熱が下がりません。大丈夫ですか?」
これもよくある相談です。
結論として、解熱剤を使っても熱があまり下がらないことはあります。
特に、病気の勢いが強い時期や、インフルエンザ・アデノウイルスなどで高熱が続く時期には、解熱剤を使っても思ったほど下がらないことがあります。
ただし、体温があまり下がらなくても、
「少し楽そう」
「少し眠れた」
「水分がとれた」
なら、解熱剤を使った意味はあります。
解熱剤の目的は、平熱に戻すことではなく、つらさをやわらげることです。
よくある質問
解熱剤を使うと風邪が長引く?
「解熱剤で熱を下げると、風邪が治るのが遅くなりますか?」
これもよく質問されます。古くから一部で言われているようですが、医学的根拠はありません。
解熱剤を使ったからといって、風邪の治りが明らかに遅くなるわけではありません。
解熱剤で熱性けいれんは起きやすくなる?
「解熱剤の効果が切れて熱が再び上がる時に、熱性けいれんが起きやすくなる」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
しかし、解熱剤を使うことで熱性けいれんが起きやすくなる、という医学的根拠はありません。
心配せずに解熱剤を使っていただいて大丈夫です。
坐薬と飲み薬はどっちがいい?
解熱剤には、飲み薬と坐薬があります。
基本的には、効果は大きく変わりません。
口から飲める場合は、粉薬やシロップなどの飲み薬で問題ありません。
一方で、
- 吐いていて飲めない
- ぐったりして薬を飲めない
- 薬を嫌がって飲めない
という場合には、坐薬の方が使いやすいです。
「坐薬の方が強い」「飲み薬の方が弱い」というわけではありません。
その時に使いやすい方を選べば大丈夫です。
子どもに使う解熱剤で注意すること
子どもの解熱剤では、一般的にアセトアミノフェンが使われます。
一方で、大人用の解熱鎮痛薬を自己判断で子どもに使うのは避けてください。大人でよく使われるロキソニンは小児では注意が必要な薬剤として扱われます。家にある大人用の薬を「少なめにすれば大丈夫」と考えて使うのは危険です。
子どもには、必ずその子ども用として処方された薬を使用しましょう。
用法・用量をきちんと守りましょう。
小児の解熱剤として使われるアセトアミノフェンというお薬(商品名:カロナール、アンヒバ等)は
体重1kgあたり10~15mgが理想とされています。
例えば、坐薬であれば、体重6.7kg~10kgのお子様であれば1個100mgの坐薬を1個投与すれば足りますが、体重11kg以上のお子様では、1個100mgの坐薬1個では足りません。僕は11~14kgくらいのお子様であれば、1個100mgの坐薬を1回で1.5個使用してくださいとよく説明しています。
内服薬では、「粉薬の重さ:〇g、有効成分の量:〇mg」のように、表記が分かれていて、保護者の方が自宅で必要量を計算するのは、難しいです。(計算する場合は有効成分の量(mg)で計算します。)
数か月前にもらった解熱剤を使うという場合に、お子様の体重が増えていれば、この用量に合わなくなっている可能性があるので要注意です。
また、クリニックによっては理想とされる用量よりも少なめで処方されることがあり、使う量が少ないために解熱剤を使っても熱が下がらないということもあります。
使用量に疑問を持った場合には、主治医もしくは薬剤師に確認してみましょう。
まとめ:解熱剤は「熱を下げる」というよりは「高熱によるつらさを和らげる」ために使う
子どもの解熱剤は、熱を無理に下げるための薬ではありません。
大切なのは、「体温を下げること」ではなく、「高熱によるしんどさを和らげてあげること」です
熱が高くても、元気があり、水分がとれて、眠れているなら、解熱剤は必ずしも必要ありません。
一方で、熱のせいで水分がとれない、眠れない、かなり不機嫌という時は、解熱剤を使って少し楽にしてあげるとよいです。
解熱剤を使っても熱が下がりきらないことはあります。
それでも、少し楽になって水分がとれたり眠れたりすれば、それで十分です。
解熱剤は、熱を下げる薬というより、熱でしんどい子どもを少し楽にする薬。
そう考えると、使うタイミングに迷いにくくなります。
さいごに
お子様の熱が出ている間、ご家庭は普段と全く違う状態になりますよね。
心配な気持ち、子どもの看病、仕事を休まないといけない、やりたいことができない等…
一刻も早く、皆様のご家庭に普段の日常が戻ることを願っております。
