熱性けいれんが起きた時にやるべき3つの対応と救急車を呼ぶ目安

こんにちは、たっち先生です。
毎日の育児、本当にお疲れ様です。

「熱を出してさっきまで寝ていたのに、急に体がガクガクして白目をむいた…」 そんな我が子の姿を目の当たりにしたら、どんな親御さんでもパニックになってしまいますよね。

これは熱性痙攣(ねつせいけいれん)と呼ばれるもので、実は子どもの約10人に1人が経験する、決して珍しくないものです。
とはいえ、初めて目にすると本当に怖いものです

今日は、いざという時に落ち着いて対応できるよう、熱性痙攣が起きた時に「まずやるべきこと3つ」と、「救急車を呼ぶ目安」について詳しく解説します。

熱性痙攣とは?

熱性痙攣は、主に生後6か月〜5歳くらいまでの子どもが、熱が出たときに起こす痙攣(けいれん)のことです。発熱してから24時間以内が最も起こりやすいとされています。

多くの場合は数分以内に自然におさまり、後遺症を残すこともほとんどありません。
とはいえ、目の前で我が子が痙攣を起こす姿を見るのは、経験したことのある親御さんなら誰でも「人生で一番怖かった瞬間」と口を揃えるほどのショックです。

だからこそ、事前に「何をすればいいか」を知っておくことが、いざという時の安心につながります。

熱性痙攣が起きたときにやるべき対応3つ

対応①:体を横向きにする

まず最初にやるべきことは、平らな床で子どもの体を横向きに寝かせることです。

痙攣中は意識がなく、嘔吐してしまうこともあります。仰向けのままだと、吐いたものや唾液が喉に詰まって窒息してしまう危険があるため、それを防ぐために体を横向きにすることが最優先です。

このとき注意してほしいポイントがいくつかあります。

口の中に指やタオルなど、物を入れない
「舌を噛まないように」と口の中に物を入れる対応が昔は言われていましたが、これはかえって窒息やケガの原因になるため、絶対にやめましょう。

体を無理に押さえつけない
痙攣している体を止めようと強く押さえるのは意味がありません。周囲の危険なもの(家具の角など)を遠ざけ、頭をぶつけないように支える程度で十分です。

周囲の安全を確保する
ソファやベッドの上ではなく、床など平らで安全な場所に寝かせてあげましょう。

対応②:時間をはかる

次にやるべきことは、痙攣が何分間続いたか、時間を正確に計ることです。

パニックになっているとつい体感時間で「もう5分は経った気がする…」等と感じてしまいがちですが、実際にはかなりの誤差が生まれます。

時計を見ても、何時何分から始まったかなんてすぐに忘れてしまうし、わが子が痙攣して焦っているときにスマホのストップウォッチ機能をすぐに起動するのも難しいと思います。

たっち先生のおすすめは「痙攣が始まった時刻」と「痙攣が止まった時刻」にスマホの待ち受け画面をスクショすることです。

だいたいスマホはいつでも近くに置いている方が多いと思いますし、スクショだけならその場ですぐにでき、後から何分間だったのか確認することができます。

なぜ時間が重要かというと、痙攣の持続時間は診断や治療方針を左右する非常に重要な情報だからです。

一般的に、熱性痙攣は2,3分で自然に止まることが多いです。この場合は特別な治療は不要で、後遺症も残らないことがほとんどです。

一方で、痙攣が5分以上続く場合は、その後は自然に止まりづらく、長時間痙攣が持続する可能性が高くなります。5分以上痙攣が持続する場合にはその場ですぐに薬物治療をおこなうのが望ましいとされています。

15分以上痙攣が持続する場合には、将来「てんかん」という病気を発症する可能性が高くなり、30分以上痙攣が持続する場合には脳にダメージがでて後遺症に注意が必要です。

このように、痙攣がどのくらい続いていたのかによって、その子の治療法や将来の見通しがかなり変わってきます。

時間を正確に把握しておくことで、医師への説明もスムーズになり、適切な治療につながります。

対応③:動画を撮影する

3つ目にやってほしいのが、スマホで痙攣の様子を動画に撮影することです。

「撮影している場合じゃない」と思うかもしれませんが、この動画は診断において非常に役立ちます。

痙攣にはいくつかのタイプがあり、

  • 体全体がガクガクと震えるタイプ
  • 体の片側だけが痙攣するタイプ
  • 目や顔の一部だけが動くタイプ

など、症状の現れ方によって、単純な熱性痙攣なのか、それとも他の病気が隠れているのかの判断材料になります。(ちなみに、左右ともに全身が痙攣しているタイプが最も安心できるタイプです。体の片側だけ、一部だけの場合はほかの病気が隠れていることがあります。)

しかし、親御さんが口頭で「こんな感じでした」と説明するだけでは、医師に正確な情報が伝わりにくいことも少なくありません。しかも焦っている状態でみたわが子の様子ですので、正確に覚えているかも怪しいことも多いです。

撮影する際のポイントは以下の通りです。

  • 子どもの顔全体と体全体が映るように撮る
  • 目の動き、手足の動き方がわかるようにする

安全確保をした上で余裕があれば、ぜひ動画を残しておいてあげてください。

痙攣の様式が分かればOKなので、動画は数十秒~1分あれば十分です。

ここまでやれば、あとは病院へ行くだけ

上記の3つ、

  1. 横向きに寝かせる
  2. 時間をはかる
  3. 動画を撮影する

これができれば、家庭でできる応急対応としては十分です。その後は病院を受診し、医師に経過を伝えましょう。

救急車を呼ぶ目安

「自分で病院に連れて行けばいい?救急車は呼ばなくていいの?」と迷う方も多いと思います。
ここからは、たっち先生個人の意見になりますが、参考にしてください。

まず、結論ですが、心配・不安な場合は、迷わずすぐに救急車を呼んでOKです。

「これくらいで救急車を呼んだら迷惑かな…」と遠慮してしまう親御さんも多いのですが、そんなことはありません!
世の中には、もっと軽度な症状で救急車を呼ぶ人はたくさんいます。(夜間救急対応をしている小児科当直医師としての経験談です)

「痙攣したから救急車を呼びました」は全然OKだと思います。怖いと感じたら、痙攣を起こした時点ですぐに救急車を呼んで大丈夫です。

前にも起こしたことがある、何度か経験して慣れているという親御さんでも以下のようなケースでは、ためらわず119番通報することをおすすめします。

  • 痙攣が5分以上続いている
  • 痙攣が止まったあとも意識が戻らない
  • 唇や顔色が明らかに青白い(チアノーゼ)
  • 短時間のうちに痙攣を繰り返す
  • 手足の動きに左右差がある

熱性痙攣は決して珍しいものではありません

繰り返しになりますが、熱性痙攣は子どもの約10人に1人が経験する、よくある症状です。多くは数分でおさまり、その後の発達に影響を及ぼすこともほとんどありません。

とはいえ、初めて目の当たりにする親御さんにとっては、人生で一番怖い瞬間のひとつだと思います。だからこそ、「何が起きているか」「何をすればいいか」を事前に知っておくことが、いざという時に我が子を守る力になります。

まとめ

熱性痙攣が起きたら

  • まず①横向きに寝かせる
  • 次に②時間をはかる(開始時刻・終了時刻を記録)
  • 余裕があれば③動画を撮影する
  • ここまでできれば、あとは落ち着いて病院を受診
  • 心配・不安なときは迷わず救急車を呼んでOK

いざという時に慌てないためにも、子供が熱を出したときにこの記事を見返せるようにしておいてください!

毎日の育児、本当にお疲れ様です。これからも子どもの病気について、知っておくと役立つ情報を発信していきますので、ぜひ一緒に学んでいきましょう!

免責事項

本記事は、熱性けいれんについての一般的な医学情報を提供するものであり、個別の診断や治療に代わるものではありません。お子さんの年齢、症状、経過によって必要な対応は異なります。
本記事の情報は作成時点の医学的知見に基づいていますが、診療方針は医療機関やお子さんの状態によって異なることがあります。実際の対応については、診察した医師の指示を優先してください。