子どもが熱を出したとき、
「抗生剤を飲んだ方が早く治るのかな?」
「熱が高いから、抗生剤が必要?」
「抗生剤を出してくれないけど大丈夫?」
と心配になることがありますよね。
でも結論から言うと、ほとんどの場合、風邪に抗生剤は効きません。
その理由はシンプルです。
風邪のほとんどはウイルス感染で、抗生剤は細菌に効く薬だからです。
でも多分、これだけ聞いても「え、どういうこと?」ってなりますよね。
これからわかりやすく、解説していきます!
まずは、子どもの熱の原因になる
ウイルス感染と細菌感染の違いから見ていきましょう。
子どもの熱の原因は、大きくウイルスと細菌の2つがあります
子どもが熱を出す原因はいろいろありますが、感染症で多いのは主に
ウイルス感染と細菌感染です。
ウイルス感染について
ウイルスそのものをやっつける特別な治療薬は基本的にありません。もちろん、抗生剤も効きません。
ただ、ウイルス感染は軽症なものが多く、ほとんどが自分の免疫で自然に治ります。
治療法はないけど、数日間で自然に治る。
これがウイルス感染の基本です。
細菌感染について
一方で、細菌感染は注意が必要です。
細菌感染は、自然には治らないことがおおいです。放置すると熱がずっと続いてしまいます。
ただし、細菌感染には治療法があります。
それが抗生剤です。
抗生剤は、細菌をやっつける薬です。
ウイルスと細菌では治療法が違う
ウイルス感染は、自然に治るのを待つことが多い
細菌感染は、自然には治らないが、抗生剤がよく効く
という違いがあります。
そもそも風邪って何?
では、子どもの熱でよくある「風邪」は、
ウイルス感染と細菌感染のどちらなのでしょうか?
答えは、ほとんどがウイルス感染です。
風邪とは、鼻や喉に炎症がおきて、鼻水、咳、のどの痛み、発熱などの症状が出る状態のことを言います。
そして、その炎症の原因は、ほとんどがウイルスです。
だから、風邪に抗生剤は効かないことが多い
ここまでをまとめると、とてもシンプルです。
風邪のほとんどはウイルス感染です。
抗生剤は細菌に効く薬で、ウイルスには効きません。
だから、
風邪に抗生剤は効かない
ということになります。
必要ない抗生剤を使いすぎるとどうなる?
抗生剤は、必要なときにはとても大切な薬です。
でも、必要ないときに使いすぎると問題があります。
主な問題は、
副作用と薬剤耐性菌です。
抗生剤では、下痢、発疹、吐き気、肝機能障害などの副作用が出ることがあります。
また、抗生剤を不必要に使いすぎると、
抗生剤が効きにくい「耐性菌」が増える原因になります。

耐性菌が増えると、本当に抗生剤が必要になったときに、薬が効きにくくなってしまいます。
以上から、風邪に対してルーチンで抗生剤を使っていると、メリットよりもデメリットの方が大きいと考えられています。
だからこそ、抗生剤は
必要なときに、必要な分だけ使う
ことが大切です。
では、抗生剤はいつ使うの?
抗生剤が必要になるのは、細菌感染が疑われる場合です。
たとえば、
- ぐったりして全身状態が悪い
- 熱が4〜5日以上続いている
- 一度治りかけたのに、また悪化した
- 血液検査で炎症の数値が高い
- 検査で溶連菌などが陽性
このような場合には、細菌感染である可能性があります。
診察所見・全身状態・検査結果を総合的に評価して、細菌感染を強く疑う場合には抗生剤治療を開始します。
細菌感染で多いパターンとしては、「最初はただの風邪だったのに、途中から細菌感染が加わってしまった」というパターンが多いです。
最初は単なるウイルス感染(つまり風邪)であったけど、ウイルスによって鼻や喉、気管支の粘膜が荒れてしまい、その荒れた粘膜から細菌が後から感染してしまうことがあります。
風邪という診断で経過を見ていても、ぐったりしてくる、熱が4~5日以上持続する、一度治りかけたのにまた悪化するような場合には、細菌が後から感染していることがあるので、小児科を受診してください。そこで診察・血液検査などを行い、細菌感染が疑われる場合には抗生剤投与が行われます。
よくある質問・誤解
Q. 風邪に抗生剤は効きますか?
基本的に、効きません。
風邪のほとんどはウイルス感染で、抗生剤はウイルスには効かないからです。
Q. 熱が高いと抗生剤が必要ですか?
熱の高さだけでは判断できません。
ウイルス感染でも、39℃や40℃近い高熱が出ることはよくあります。
大切なのは、熱の高さよりも、
- 何日続いているか
- ぐったりしていないか
- 水分がとれているか
- 呼吸が苦しそうではないか
などです。
Q. 鼻水が黄色や緑色なら細菌感染ですか?
鼻水の色だけでは判断できません。
風邪(ウイルス感染)でも、鼻水が黄色や緑色っぽくなることはよくあります。
それだけで抗生剤が必要とは限りません。
Q. 抗生剤を飲めば風邪は早く治りますか?
そんなことありません。
風邪(ウイルス感染)であれば、抗生剤を飲んでも早く治ることは期待できません。
むしろ、下痢や肝機能障害などの副作用が出ることがあります。
Q. 抗生剤を出してくれない先生は大丈夫ですか?
風邪に抗生剤が必要かどうかをきちんと判断して、不要な場合に処方しないことは、とても大切な医療です。
ただ、もちろん、細菌感染が疑われる場合には抗生剤が必要です。
・なぜ抗生剤が必要ないのかを説明してくれる先生
・理由をしっかり説明して抗生剤を処方してくれる先生
は信頼できる先生が多いです
Q. 近くの病院では、風邪のたびに抗生剤を出されるんですけど…
じつは、、、風邪に対して毎回ルーチンで抗生剤を処方する小児科クリニックも存在します。
処方内容に疑問を持った場合には、主治医に抗生剤が出ている理由を聞いてみてもいいかもしれません。もしかしたら抗生剤が必要と考える理由があるのかもしれません。
何度も言いますが、理由をしっかり説明して抗生剤を処方してくれる先生は信頼できる先生が多いです。
Q. 抗生剤飲んだらすぐに熱下がったから、途中でやめた方がいい?
自己判断で途中でやめるのはダメです。
抗生剤のおかげで熱が下がっている場合、抗生剤をやめるとまた熱がぶり返してしまうことがあります。抗生剤の使用期間は、必ず処方した医師と相談してください。
まとめ
風邪に抗生剤が効かないことが多い理由は、シンプルです。
子どもの熱の原因には、ウイルス感染と細菌感染があります。
風邪のほとんどはウイルス感染です。
抗生剤は細菌に効く薬で、ウイルスには効きません。
そのため、多くの風邪に抗生剤は必要ありません。
一方で、細菌感染が疑われる場合には、抗生剤が必要になることもあります。
大切なのは、
「熱があるから抗生剤」ではなく、
「熱の原因が細菌感染だから抗生剤が必要」
という考え方です。
免責事項
この記事は、一般的な医療情報の提供を目的としたものです。
個別の診断や治療を行うものではありません。
お子さんの年齢、症状の経過、全身状態、基礎疾患、地域の医療体制によって対応は異なります。 症状が強い場合や判断に迷う場合は、医療機関、救急相談窓口、またはかかりつけ医に相談してください。