「さっきまで元気だったのに、体中に赤い発疹が急にブワッと出てきた…!」
子どもに突然じんましんが出ると、多くの保護者がまず思うのが、「これ、アレルギーじゃないの?」という不安ではないでしょうか。
たしかに、じんましんの原因のひとつにアレルギーはあります。ですが実は、子どものじんましんの多くは、はっきりした原因が分からないケースなのです。
この記事では、
- そもそもじんましんとはどんな症状か
- 考えられる原因
- 食物アレルギーを疑うべきサイン
- 家庭でできる対応
を、小児科専門医の視点でわかりやすく解説します。
じんましんとはどんな症状?
じんましんは、皮膚に突然できる、蚊に刺されたときのような赤み・かゆみを伴う膨らみです。
大きな特徴は次の3つです。
- かゆみがある
- 赤みや盛り上がりの形・大きさが刻々と変わる
- 1つ1つの発疹は、多くの場合24時間以内に消える
消えたと思ったら、また別の場所に新しく出てくることを繰り返すため、初めて見る保護者はとても驚いてしまいますが、これはじんましんによくある経過です。
じんましんの原因は実にさまざま
じんましんの原因としては、次のようなものが挙げられます。
- 食べ物や薬などのアレルギー
- 温度差(寒暖差)
- 汗をかいたとき
- 摩擦(衣類のこすれなど)
- ストレスや疲れ
- 感染症(かぜなどのウイルス感染)
「アレルギーかどうか」を真っ先に考える保護者は多いのですが、実際にはアレルギー以外の原因の方がずっと多いです。これだけ多くの可能性がある中から、原因をひとつに特定するのは簡単ではありません。
実は、ほとんどが「原因不明」
子どものじんましんは、検査をしても、はっきりとした原因が見つからないことが大半です。
このように、原因がわからないじんましんのことを「特発性じんましん」と呼びます。
特発性じんましんは、子どものじんましんの中でも特に多く、決して珍しいものではありません。「原因不明=何か悪いことが隠れているのでは」と心配される方も多いのですが、原因不明であること自体は、過度に心配しすぎる必要のないケースがほとんどです。
特発性じんましんは、慌てて救急受診しなくても大丈夫なことが多い
特発性じんましんの場合、基本的に命に関わることはなく、夜間や休日に慌てて救急を受診する必要はありません。じんましんが続くようであれば、後日かかりつけの小児科を受診すれば十分です。
ただし、かゆみが強くて子どもが眠れない、機嫌が悪い、掻きむしって皮膚が傷つきそうな場合には、夜間であっても救急外来を受診していいと思います。薬を使用することで、かゆみはかなり楽になります。
「これくらいで救急に行っていいのかな」と迷う保護者も多いですが、かゆみで辛そうにしている子どもを見ているのは、ご家族にとってもつらいものです。遠慮せず受診してください。
こんな時は「食物アレルギー」を疑って
一方で、以下のような特徴がある場合は、食物アレルギーの可能性があります。
- 初めて食べたものを食べた後に出た
- いつもより加熱が不十分なもの(半熟卵など)を食べた後に出た
- 食べてから2時間以内に出た
- 毎回同じ食べ物を食べたときに出る
食物アレルギーの場合、すぐに救急搬送が必要なものから自宅で様子を見ていいものまで、対応が非常に幅広いです。
食物アレルギーの症状や対応に関してはこちら(子どもの食物アレルギー|食べた後に出る症状と受診目安を小児科医が解説)で詳しく解説していますので、併せて読んで下さい!
これらに当てはまる場合は、症状の強さに応じて小児科を受診し、原因となった可能性のある食品について詳しく伝えましょう。自己判断でその食品を完全に除去してしまう前に、必ず医師に相談することが大切です。
家庭でできる対応
じんましんが出たときに、家庭でできる対応をご紹介します。
・かゆみを悪化させる要因を避ける
熱いお風呂、厚着、汗をかいたままにしておくことは、かゆみを強くすることがあります。ぬるめのシャワーや室温の調整で、体を涼しく保ちましょう。
・少し冷やす
かゆい部分を保冷剤や冷たいタオルで軽く冷やすと、少しかゆみがやわらぎます。まずは試してみてください。
・症状の経過を記録しておく
いつから、何を食べた後に、どのくらいの範囲に、どのくらいの時間で出たかを記録・撮影しておくと、受診時に医師へ状況を伝えやすくなります。
よくある質問
Q. じんましんが出たら、すぐにアレルギー検査をした方がいいですか?
A. 特発性じんましんが疑われる場合、必ずしも検査が必要というわけではありません。食物アレルギーを疑う具体的なエピソードがある場合に、医師と相談しながら検査を検討します。
Q. じんましんが出ている間、お風呂に入ってもいいですか?
A. 体調がよければ、ぬるめのお湯で軽くシャワーを浴びる程度であれば問題ないことが多いです。熱いお湯は避けましょう。
Q. きょうだいにうつりますか?
A. じんましんそのものは、うつるものではありません。ただし、風邪がきっかけでじんましんが出ている場合、原因となった風邪自体はうつる可能性があります。
Q. 何日くらいで治りますか?
A. 特発性じんましんの多くは、数日で自然に治まります。症状が長引く場合は小児科を受診してください。
まとめ
子どものじんましんは、
- 実はほとんどが原因不明の「特発性じんましん」
- 特発性じんましんなら、慌てて救急受診しなくてもよいことが多い
- ただし、かゆみが強い場合は夜間でも受診してOK
- 食物アレルギーを疑うサイン(初めて食べた、半熟、2時間以内、毎回同じ食品)がある場合は要注意
じんましんが出ると保護者としてはとても心配になりますが、体全体の様子を見ながら、落ち着いて対応していただければと思います。
免責事項
この記事は、一般的な医療情報の提供を目的としたものです。個別の診断や治療を行うものではありません。
実際の受診判断は、お子さまの年齢、基礎疾患、症状の経過によって異なります。症状が強い場合や判断に迷う場合は、医療機関にご相談ください。
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たっち先生
小児科専門医/2児のパパ。子どもの病気についてわかりやすく解説する情報を、InstagramやブログなどSNSで発信中。毎日の育児、本当にお疲れさまです。一緒に子どもの病気について学んでいきましょう。