夜間や休日に子どもが発熱したら?救急受診の目安を小児科医が解説

夜間や休日など、病院があいていないときに子どもが急に熱を出すと、
「今すぐ救急に行った方がいい?」
「家で様子を見ても大丈夫?」
と不安になりますよね。

特に39℃、40℃と高い熱が出ると、心配になるのは当然です。

ただ、大切なのは、熱の高さではありません
大切なのは、体温そのものよりも、機嫌・呼吸・顔色・水分がとれているかです。

この記事では、子どもが夜間や休日に発熱したときに、家で様子を見てもよいサインと、救急受診を考えた方がよいサインを、現役の小児科医がわかりやすく解説します。


「発熱=すぐに危険」ではありません

子どもは大人よりもよく熱を出します。

発熱の原因のほとんどは、いわゆる風邪などのウイルス感染です。
ウイルスをやっつける治療法は基本的には無く、自分の免疫でやっつけるしかありません。

熱は、体がウイルスをやっつけるための正常な反応です。

そのため、熱がある=すぐに危険 というわけではありません

たとえば、39℃、40℃以上の熱があっても、以下のような様子があれば、夜間にあわてて救急受診しなくてもよいことが多いです。


高熱でも安心できるサイン

子どもが高熱でも、次のような様子があれば、比較的安心できるサインです。

✅ おもちゃに反応する
✅ 視線が合う
✅ 呼吸が落ち着いている
✅ 顔色が悪くない
✅ 水分がとれている
✅ 眠れている、または寝ようとできている

このような場合は、夜中に無理に救急外来へ行くよりも、家で水分をとらせながら様子を見て、翌日小児科を受診する方がよいケースもあります。

もちろん、保護者から見て「いつもと明らかに違う」と感じる場合は、体温に関係なく相談や受診を検討してください。


40℃の高熱でも、熱だけで脳に影響することは通常ありません

「40℃の熱が出たら、脳に影響が出るのでは?」
と心配される方は多いです。

しかし、一般的な感染症による発熱で、熱の高さそのものが直接脳にダメージを与えることは通常ありません

高熱だからといって、すぐに熱を下げないといけないわけではありません。


小児科医が気にするのは「熱の高さ」より「何日熱が続いているか」

実は小児科医は、「熱がどれくらい高いか」よりも、「熱が何日続いているか」の方が気になります。

「今朝から40度の熱があります」と言われるよりも、「38度の熱が5日間続いています」と言われる方が僕はドキッとします。

というのも、一般的な風邪でも39℃、40℃の高熱が出ることはあります。なので、先ほどの「高熱でも安心できるサイン」が揃っている場合は高熱でも経過を見ることが多いです。

一方で、一般的な風邪であれば3~4日で自然に熱が下がることが多いです。逆に発熱が4〜5日以上続く場合は、

  • 肺炎
  • 尿路感染症
  • 川崎病
  • その他の細菌感染症

など、単なる風邪以外の病気が隠れていることがあります。

そのため、熱が長引く場合は、必ず小児科を受診してください。


熱が出た時に注意すべきポイント4つ

夜間の発熱で特に大切なのは、次の4つです。

1. 機嫌・反応

声をかけたときに反応するか。
目が合うか。
好きなおもちゃや動画に少しでも反応するか。

熱が高くてしんどそうでも、反応がしっかりしている場合は、緊急性が高くないことも多いです。

一方で、呼びかけへの反応が悪い、ぼーっとしている、目線が合わない場合は注意が必要です。

2. 呼吸

呼吸が苦しそうかどうかは、非常に重要です。

以下のような様子があれば、夜間でも受診を考えます。

⚠️ 呼吸が明らかに速い
⚠️ 肩で息をしている
⚠️ 肋骨の間やみぞおちがへこむ
⚠️ ゼーゼー、ヒューヒューが強い
⚠️ 顔色や唇の色が悪い
⚠️ 咳がひどくて眠れない

熱よりも、呼吸状態の方が緊急性の判断では重要になることがあります。

3. 水分・尿

発熱時は汗や呼吸で水分を失いやすくなります。
そのため、脱水にも注意が必要です。

以下のような場合は注意してください。

⚠️ 水分をほとんど飲めない
⚠️ 飲んでもすぐ吐いてしまう
⚠️ 半日以上尿が出ていない
⚠️ 口の中や唇が乾いている
⚠️ 泣いても涙が出ない
⚠️ ぐったりしている

逆に、少量ずつでも水分がとれていて、尿も出ている場合は、家で様子を見られることが多いです。

4. 顔色

顔色も大切なポイントです。

高熱でも、顔色が比較的よく、反応がある場合は、緊急性が高くないこともあります。

一方で、

⚠️ 顔色が青白い
⚠️ 唇の色が悪い
⚠️ 表情が乏しい
⚠️ いつもと明らかに違う

という場合は、夜間でも相談・受診を考えてください。


夜中でも救急受診を考えた方がよいサイン

次のような場合は、夜中でも救急受診をおすすめします。

⚠️ ぐったりしている
⚠️ 呼びかけやおもちゃへの反応が悪い
⚠️ 目線が合わない
⚠️ 顔色が悪い
⚠️ 呼吸が早い、苦しそう
⚠️ 咳が多くて全然眠れない
⚠️ 水分がほとんど取れない
⚠️ けいれんしている
⚠️ 生後3か月未満の発熱

特に、生後3か月未満の発熱は注意が必要です。
月齢の低い赤ちゃんは重い感染症でも症状がわかりにくいことがあるため、生後3か月未満の場合は、38度以上の熱が出たら夜中でもすぐに医療機関へ相談してください。


夜間に家でできる対応

夜間に発熱したときは、まず次のように対応してみてください。

水分を少量ずつとる

一度にたくさん飲ませる必要はありません。
吐き気がある場合は、スプーン1杯、ひと口ずつでも大丈夫です。

水、お茶、経口補水液、母乳、ミルク、ジュースでも構いません。子どもが飲みたいと思うものを少しずつあげてください。

厚着させすぎない

寒がって震えているときは温めてあげてください。ただ、暑そうにしているときに厚着をさせすぎると、かえってしんどくなることがあります。

汗をかいたら着替えさせ、室温を調整しましょう。

無理に食べさせなくてよい

発熱時は食欲が落ちることがよくあります。
水分がとれていれば、無理に食事を食べさせる必要はありません。

解熱剤を使う

高熱でうまく眠れない場合や、食事・水分が摂れない場合には、解熱剤を使用するのもいいです。
解熱剤の使い方や、注意点など詳しい解説については、こちらをご覧ください。


よくある質問

Q. 40℃の熱があります。救急に行くべきですか?

「40℃の熱=救急受診が必要」というわけではありません。
呼吸が落ち着いていて、顔色がよく、水分がとれていて、反応がしっかりしている場合は、夜間は家で様子を見ても大丈夫なことが多いです。

ただし、ぐったりしている、呼吸が苦しそう、反応が悪い、水分がとれない場合は、体温に関係なく受診を考えてください。


Q. 熱が高いと脳に悪い影響がありますか?

一般的な感染症による発熱で、熱の高さそのものが直接脳に悪影響を与えることは通常ありません。


Q. こまめに体温を測った方がいいですか?

子どもが眠れているなら、何度も起こして体温を測る必要はありません。
身体の温度よりも、呼吸、顔色、反応、水分の様子を見てください


まとめ 「熱の高さ」より「子どもの様子」を見てみましょう。

子どもの夜間の発熱では、39℃や40℃という体温だけで判断する必要はありません。

大切なのは、次のような「子どもの様子」です。

✅ おもちゃに反応するか
✅ 呼吸が落ち着いているか
✅ 顔色が悪くないか
✅ 水分がとれているか
✅ 眠れているか

これらが保たれていれば、40℃でも夜間に急いで受診しなくてもよいことが多いです。

一方で、次のような様子がある場合は、救急受診を考えましょう。

⚠️ ぐったりしている
⚠️ 目線が合わない
⚠️ 顔色が悪い
⚠️ 呼吸が苦しそう
⚠️ 水分がとれない
⚠️ 生後3か月未満の発熱


さいごに

熱が出てしんどそうな我が子を見ていると、ものすごく不安になりますよね。自分のことより心配だと思います。病院があいていない夜間・休日であれば、なおさら心配です。

「夜中に40℃だからすごく不安だったけど、おもちゃで遊んでいるのを見て安心して朝まで様子を見れました」「ジュースを渡したらしっかり飲んでいて、ほっとできました」と、この記事が少しでも皆様の安心につながれば幸いです。

1日も早くお子様の体調が回復し、皆様のご家庭に普段の日常が戻ることを心より願っています。


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免責事項

この記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものです。個別の診断・治療を行うものではありません。症状が強い場合や判断に迷う場合は、医療機関、救急相談窓口、またはかかりつけ医に相談してください。

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