ほぼ全員がかかる突発性発疹とは?

赤ちゃんや小さな子どもが突然高熱を出したあとに、急に発疹が出てくると、

「これって何?」
「発疹が出たけど大丈夫?」
「病院に行った方がいい?」
「保育園はいつから行ける?」

と不安になることも多いと思います。

この記事では、小さいお子さんのほぼ全員がかかるといわれている突発性発疹について、
実際の写真付きで、小児科専門医がわかりやすく解説します。

突発性発疹とは?

突発性発疹は、生後6か月〜2歳ごろ子どもによくみられるウイルス感染症です。

典型的には、

3〜4日ほど高熱が続く

熱が下がる

体に赤い発疹が出る

という経過をたどります。

咳や鼻水などの症状があまりないことが特徴で、熱以外に特徴的な症状が無いので、発熱だけの時点では「かぜなのか」「突発性発疹なのか」をすぐに判断することは難しいです。
熱が下がり、体に発疹が出てきて始めて「突発性発疹」と診断できます。

基本的には自然に治る病気で、特別な治療が必要ないことがほとんどです。

突発性発疹の原因は?

突発性発疹の原因は、主に ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6) というウイルスです。
一部では、ヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7) が原因になることもあります。

「ヘルペスウイルス」と聞くと、少し怖い印象を持つ方もいるかもしれませんが、突発性発疹の原因になるHHV-6やHHV-7は、乳幼児期に多くの子どもが感染する、とてもありふれたウイルスです。

このウイルスに初めて感染したときの症状として、突発性発疹が起こることがあります。

大人や年長児からうつるの?

HHV-6やHHV-7は、一度感染すると、体の中に残るウイルスです。
多くの大人や年長児は、すでに子どものころにこのウイルスに感染しています。
して、症状がなくても、唾液などからウイルスが出ることがあります。
赤ちゃんは、身近な大人やきょうだいなどから、日常生活の中でウイルスに感染すると考えられています。

ただし、これは「誰かが悪い」という話ではありません。
突発性発疹は、ほとんどの大人がすでに持っているウイルスで、これが子供にうつるのを完全に防ぐことは難しいです。

なぜ生後6か月ごろから多いの?

突発性発疹は、生後6か月〜2歳ごろに多くみられます。
その理由のひとつが、お母さんからもらった抗体 です。

赤ちゃんは、生まれる前にお母さんから抗体をもらっています。
生まれてすぐのころは、赤ちゃん自身が作る抗体はまだまだ未熟なので、代わりに生まれる前にお母さんからもらった抗体によって、ウイルスから守られています。

しかし、生後6か月頃から、お母さんからもらった抗体は少しずつ減っていきます。
そのため、この時期から突発性発疹にかかるようになります。

同じ理由で、この頃からほかのウイルス感染(風邪)にも感染しやすくなります。
「生後半年を過ぎたころから、急に熱を出すようになった」と感じる保護者の方も多いですが、
これはお母さんからもらった抗体がこの時期になくなってくるのが原因です。

突発性発疹はほぼ全員がかかる?

突発性発疹は、特別珍しい病気ではありません。
むしろ、乳幼児期にほぼ全員が経験する、とてもありふれた感染症です。
2〜3歳ごろまでに、ほとんどの子どもがHHV-6やHHV-7に感染すると考えられています。

赤ちゃんが成長する中で、ほとんどの子が自然に出会うウイルス感染症のひとつです。

突発性発疹の典型的な経過

突発性発疹の典型的な経過は、次のような流れです。

1. 急に高熱が出る

突然、38〜40℃近い高熱が出ます。
熱は3〜4日ほど続くことが多いです。
熱が高いですが、や鼻水などの症状はあまりありません。

2. 熱が下がってくる

数日間高熱が続いたあと、自然に熱が下がってきます
この時点で、保護者の方は「やっと治ってきた」と感じることが多いと思います。

3. 熱が下がる前後に発疹が出る

熱が下がる前後で、体に赤い発疹が出てきます。

発疹は、お腹や背中など体の中心に目立つことが多く、顔や手足にも広がって見えることがあります。
突発性発疹では、この「高熱のあとに発疹が出る」という経過がとても特徴的です。

発疹が出るまで、突発性発疹とはわからない

突発性発疹で大切なのは、熱が下がって発疹が出るまで診断が難しい という点です。
熱が出ている最初の段階では、まだ発疹がありません。
そのため、診察をしても
「突発性発疹かもしれません」
「でも、今の時点ではまだはっきりわかりません」
という説明になることがあります。

これは診断が遅れているわけではありません。
突発性発疹という病気の特徴として、熱が下がる前後に発疹が出て、そこで初めて診断がつくことが多いのです。

発熱中に「突発性発疹です」と断定できないことは、むしろ自然なことです。
突発性発疹は、最初からはっきり診断する病気というより、経過をみて診断していく病気です。

発疹はどんな感じ?(写真付き)

突発性発疹の発疹は、小さな赤い発疹として出てきます。
お腹や背中など、体の中心に目立つことが多いですが、手足に出ることもあります。

発疹は見た目にびっくりすることがありますが、多くは自然に薄くなっていきます。
通常、かゆみや痛みはありません
そのため、基本的に発疹に対して塗り薬等も不要です。

この発疹は、多くの場合、数日~1週間程度で自然に消えていきます。
発疹が出ていると見た目は心配になりますが、治療も不要ですし、自然に治ります。

機嫌が悪くなることも多い

突発性発疹では、熱が下がって発疹が出るころに、機嫌がとても悪くなることがあります。

抱っこしても泣く。
寝つきが悪い。
ずっとグズグズしている。

このような様子がみられることがあります。

保護者の方にとってはかなり大変で、数日で自然に改善します。

不機嫌になる正確な原因はまだわかっていませんが、ウイルスに対する免疫反応が関係しているといわれています。
発疹がかゆいからではありません。

たっち先生
たっち先生

ちなみに、うちの子は2人とも、
解熱して発疹が出るタイミングでものすごく機嫌が悪くなりました。
高熱が出ているときよりも不機嫌でした。

突発性発疹は2回かかることもある?

突発性発疹は、1回だけと思われがちですが、2回かかることもあります。
主な原因はHHV-6ですが、HHV-7が原因で似たような経過をたどることもあります。
そのため、以前に突発性発疹と言われたことがある子でも、別のウイルスによって再び突発性発疹のような経過になることがあります。
だし、何度も何度も繰り返す病気というよりは、乳幼児期に経験することが多い感染症のひとつです。

保育園はいつから行ける?

国が定めた登園停止の規定は特にありません。

ただ、下記のような状態を満たしてから登園するのが安心だと思います。

  • 熱が下がって24時間経過している
  • 食事や水分がとれている
  • 普段通り遊ぶ元気がある

発疹がまだ残っていても、熱がなく、元気に過ごせる状態であれば登園は可能なことがほとんどです。
ただし、園によって登園のルールが異なることがあるため、最終的には通っている保育園やこども園の基準を確認してください。

まとめ

突発性発疹は、生後6か月〜2歳ごろに多いウイルス感染症です。

原因は主にヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、または7型(HHV-7)です。

多くの大人や年長児はすでにこのウイルスに感染しており、症状がなくても唾液などからウイルスが出ることがあります。

赤ちゃんは、生まれる前にお母さんから抗体をもらっていますが、
生後6か月ごろからその抗体が減っていきます。
そのため、生後6か月〜2歳ごろに突発性発疹にかかりやすくなります。

典型的には、3〜4日ほど高熱が続いたあと、熱が下がる前後に体に発疹が出ます。
そして、この発疹が出て初めて「突発性発疹だった」とわかることが多いです。
発熱中に突発性発疹と断定できないのは、突発性発疹という病気の特徴です。

知らないと、熱の後に急に発疹が出てくるとびっくりすると思います。
この病気について知っておくだけでも、発疹が出たときに不安が減るかもしれません。


免責事項

この記事は、子どもの病気に関する一般的な情報提供を目的としています。実際の診断や治療方針は、年齢、症状、全身状態、基礎疾患、地域の医療体制などによって異なります。心配な症状がある場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。