プール熱ってなに?

夏になると増えるのが「プール熱」の相談です。

「アデノウイルスって言われたけど、プール熱とは違うの?」
「兄弟にうつらないか心配…」

というお悩みをよく耳にします。

この記事では、

  • プール熱とはどんな病気か
  • 普通のアデノウイルス感染との違い
  • 家庭内感染を防ぐポイント
  • 出席停止期間

について、小児科専門医の視点でわかりやすく解説します。


プール熱(咽頭結膜熱)とは

プール熱というのは通称で、
正式には「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」
という病名です。

原因はアデノウイルスの感染で、
非常に感染力が強いのが特徴です。

昔は、塩素消毒の不十分なプールの水や、共用のタオルを介してプール熱がうつったりして、夏場のプールで集団感染することがあったため、「プール熱」という呼び名が広まりました。

現代の適切に塩素濃度が管理されたプールの水が感染経路になる可能性は低いです。

おもちゃ・遊具・ドアノブに付着したウイルスを手で触り、それが口や鼻から入るといった接触感染や、近い距離での会話や咳・くしゃみなどの飛沫感染が主な感染経路と言われています。

プール熱の主な症状

プール熱では、次のような症状が現れます。

  • 高熱
  • のどの痛み
  • 目の充血
  • 目やに

「熱・のどの痛み」に加えて、「目の症状(結膜炎)」が出るのがプール熱の大きな特徴です。

普通のアデノウイルス感染との違い

実は、「よくある普通のアデノウイルス感染」と「プール熱」は、原因ウイルスはどちらも同じアデノウイルスです。

では、なぜ同じアデノウイルスに感染しても、単なるアデノウイルス感染になる人と、プール熱になる人がいるのでしょうか。

アデノウイルスが引き起こす症状は、
熱・のどの痛み・目の症状などさまざまですが、
現れる症状の組み合わせによって診断名が変わるという仕組みになっています。

症状の組み合わせで診断名が変わる

診断名発熱咽頭痛結膜炎登校・登園の基準
アデノウイルス咽頭炎ありありなし出席停止の規定はなし
プール熱 (咽頭結膜熱)ありありあり (充血・目やに)症状消失後2日間 出席停止
流行性角結膜炎(はやり目)なし〜微熱なし強い充血・痛み医師の許可が出るまで 出席停止

同じアデノウイルスでも様々な型があり、その型によって出やすい症状に違いがあるといわれています。ただ、クリニックなどで日常的に行われる検査ではウイルスの「型」までは調べられないので、症状の違いで診断名が変わります。

出席停止期間のルール

プール熱(咽頭結膜熱)は、学校保健安全法によって「出席停止」の対象に定められている感染症です。

熱、のどの痛み、目の充血など
主な症状がす全て消えてから2日を経過するまでは、
登校・登園を控える必要があります。

ちなみに、アデノウイルス咽頭炎(よくあるアデノウイルス感染)の方は出席停止期間は定められていません。元気になったら登校可能です。

治療法

アデノウイルスをやっつける特効薬はありません。
基本的には自然に治る病気です。

解熱剤などで症状をやわらげながら
経過をみることが治療の中心で、
多くの場合5日ほどで熱が下がってきます。

小児科を再受診すべきタイミング

プール熱と診断されたあとでも、
以下のような場合は小児科を再受診してください。

  • 水分が摂れない
  • 高熱が5日以上続く
  • 目の痛みが強い

目の症状が強い場合には、眼科での専門的な治療が必要になることもあります。

家庭内感染を防ぐ3つのポイント

プール熱は感染力が非常に強いため、
家庭内感染対策がとても重要です。

① こまめな流水と石けんでの手洗い

アデノウイルスはアルコール消毒が比較的効きにくいウイルスです。石けんと流水でしっかり物理的に洗い流すことを意識しましょう。

② タオルや枕の共有は絶対に避ける

タオルや枕の使い回しは家庭内感染の一番の原因になります。
個人用タオル、または使い捨てのペーパータオルの使用がおすすめです。

③ よく触る部分の消毒

ドアノブ、スイッチ、おもちゃなど、家族がよく触れる場所は、塩素系消毒剤(次亜塩素酸など)での拭き取りを行いましょう。

よくある質問

Q. プール熱はプールに入らなくてもうつりますか?

A. はい、うつります。
プールの水だけでなく、咳・くしゃみによる飛沫感染や、ドアノブなどを介した接触感染でもうつるため、プールに入っていなくても感染することがあります。

Q. プール熱にかかったら、お風呂はどうすればいいですか?

A. 症状の程度にもよりますが、体調がよければ入浴しても大丈夫です。心配な場合や目やにが出ている時期は、本人を最後に入浴させる、またはシャワーだけにするという方法もあります。

Q. きょうだいがプール熱になったら、他のきょうだいにもうつりますか?

A. 感染力が非常に強いため、家庭内でうつることは多いです。タオルを分ける、手洗いを徹底する、おもちゃを消毒する、互いの距離を保つなどの対策で感染リスクを下げることができます。

ただ、小さいお子様同士だと、
こういった対策も難しいですよね。。。

ちなみに我が家では、
もう兄弟間での感染は仕方がないと割り切る時も。。。

まとめ

  • プール熱の正式名称は「咽頭結膜熱」で、原因はアデノウイルス
  • 普通のアデノウイルス感染との違いは目の症状(結膜炎)の有無
  • 症状が消えてから2日間は出席停止
  • 特効薬はなく、自然に治るのを待つのが基本
  • 感染力が強いため、手洗い・タオルを分ける・消毒などの家庭内感染対策が重要

夏に流行しやすいプール熱ですが、正しい知識があれば慌てずに対応できます。心配な症状があるときは、迷わず小児科を受診してくださいね。


たっち先生 小児科専門医/2児のパパ。子どもの病気についてわかりやすく解説する情報を、InstagramやブログなどSNSで発信中。毎日の育児、本当にお疲れさまです。一緒に子どもの病気について学んでいきましょう。